けものらについて
「けものら」は、野山に住む動物たちについて深く知ることで、暮らしをより豊かにし、人と動物が健康に暮らせる社会・環境づくりを目的とした研究所です。
獣害問題や野生動物を介した感染症など社会と野生動物との葛藤について科学し、その緩和・解消のため、地域社会からワンヘルスの取組を推進し、環境と調和した社会の実現を目指します。
「けものら」では、地域のワンヘルスを推進するため、野生動物の解剖実習を行っています。
アライグマや、シカなどの野生動物の解剖実習は、学生や専門家にとって実践的な教育の場として機能しており、感染症のコントロールや動物衛生の理解を深める一助となると同時に、医療や研究の現場で必要とされるスキルの体得にも大きく役立っています。
「けものら」の果たす役割は以下の三つです。
①野生動物への関心を高める。
②野生動物の活用を通して、ヒトとの持続的な関係性を作る。
③野生動物の感染症の発生予防、早期発見、迅速対応が可能な体制を作る。
「けものら」の由来
【けものたち】の意味。野で暮らす動物たちに関心を持ってもらいたいという願いをこめました。
また、野を良くする施設でありたいという思いで【野良(のら)】を入れました。英語では、けものの研究所という意味で【kemono lab.】と表記しています。
ワンヘルスとは
「ワンヘルス(One Health)」とは、人間、動物、そして環境の健康が相互に関連しているという考えに基づいたアプローチです。
この概念は、人間の健康、動物の健康、そして環境の健全性を一体として考え、三者間のつながりを理解し、これらの健康問題を統合的に解決することを目的としています。ワンヘルスのアプローチは、特に次のような課題に対処するために用いられます。
・感染症の拡大(例:動物から人間に感染する人獣共通感染症)
・食品の安全と栄養の問題
・環境汚染や生態系の破壊がもたらす健康リスク
この考え方は、複数の分野(医学、獣医学、環境科学など)の専門家が協力して、健康リスクを予防し、より持続可能な解決策を見つけるためのもので、特にパンデミック対策や抗生物質耐性菌の問題において重要性が増しています。
施設案内
ラボ・研修スペース:解剖や観察を含めた実習を行います。
また、顕微鏡・撮影機器・保存庫等の設備があります。
白衣、シューズ、マスク、手袋を着用し、非常に衛生的なエリアです。
休憩室・更衣スペース:白衣の脱着のためのスペースです。宿泊を伴うスケジュールの場合、ベッドルームとしても利用可能です。
別棟、駐車スペース:敷地内に、主に機材等収容スペースとしての別棟と、駐車スペースを備えています。
美しい山々と田園に挟まれた、眺めの良い斜面にある快適な施設です。
研修フィールド:「けものら」研修施設より10分程度のところに作られた研修の場です。深い自然の中で、野生の環境に触れていただきます。
組織概要
名称 : 野生鳥獣研究所けものら kemono lab.
所在地: 〒669-2704 兵庫県丹波篠山市遠方238
代表者: 金山俊作(獣医師)
設立年: 2024年2月
金山俊作プロフィール
野生鳥獣研究所けものら所長、獣医
経歴
1984年 兵庫県三田市に生まれる
2010年 岩手大学の学部獣医学科卒業(解剖学研究室)
2012年 山光住設勤務
2014年 農林水産省勤務(動物検疫所、本省、ほか)
2022年 丹波篠山市地域おこし協力隊
2024年 野生鳥獣研究所「けものら」設立